イベント開催報告
◆2025.4.12 Keswick映画会
〈好きな「邦画」を紹介し合いましょう〉
〈好きな「邦画」を紹介し合いましょう〉
今回はジャンルを邦画に絞り、参加者さんが好きな作品、他の人に特におすすめしたい作品をいくつか選び、紹介しあいました。
【まとめ】
初参加の方がお二人、お越し下さいました。まずは自己紹介と共に、ふだんどういう映画ライフを送ってらっしゃるか、どういう映画が好みかをお聞きし、お勧め作品をご紹介いただきました。近作から昔の作品まで、また有名作からほとんど知られていない作品まで、幅広く語り合いました。洋画やミュージカル、読書などにも話題がおよび、いろんなお話をすることができました。
【紹介された映画】
※以下は、参加者さんの発言そのものではなく、要約・編集したものを会話風にまとめたものです。あらすじ等を主催者側で付加している部分もあります。
◆ 滝を見にいく(2014年.沖田修一監督)
春名「ここ10年ぐらい見た中では、かなり好きな映画です。監督は沖田修一さんで、『南極料理人』『横道世之介』あたりが有名です。7人のおばさんが滝を見に行くという、タイトルそのままの話なんです。最初は全然知らない同志だったのが、滝を見に行く途中で道に迷い、小さな出来事が起こる中で少しずつ打ち解けていくという話。著名な俳優さんはほぼ出ていないんですが、なんとも言えない感触で、『人間ってすごい』『人間でよかった』と強く感じさせてくれる映画です。とても地味な作品ですが、大好きで、何回も観ています」
◆ ある男(2022年.石川慶監督)
Kさん「映画は10年くらい離れていたんですが、本作を友達に勧められて見て、また映画を見ようと思いました。妻夫木聡さん、真木よう子さん、窪田正孝あたりが出ています」
Eさん「私も見ましたし、原作も読みました。役者さんの演技がすごかったですね」
Kさん「ある男性が戸籍を変えて生きていたという内容です。予告編を見ると、窪田さんと安藤サクラさんが主役みたいに見えますが、実際の主役は妻夫木さんです。妻夫木さんが弁護士の役で、戸籍を変えている男を調べていくなかで、自分自身の過去とも重なってくるんですね。彼自身も在日韓国人として戸籍の問題を抱えていて、過去に自分を偽って生きていた経験があって、そういった部分が物語の中にじわじわと表れてくるんです。ミステリー仕立てにもなっていて、役者さんたちの演技もとても素晴らしいです。人間はいろんな側面を持っているんだなと気づかせてくれる作品です」
春名「僕は見ていませんが、ふだん自分でも隠している部分を、他人を見つめることで気づかされる、という感じですかね」
Kさん「そんな感じです」
Eさん「私も見ましたし、原作も読みました。役者さんの演技がすごかったですね」
Kさん「ある男性が戸籍を変えて生きていたという内容です。予告編を見ると、窪田さんと安藤サクラさんが主役みたいに見えますが、実際の主役は妻夫木さんです。妻夫木さんが弁護士の役で、戸籍を変えている男を調べていくなかで、自分自身の過去とも重なってくるんですね。彼自身も在日韓国人として戸籍の問題を抱えていて、過去に自分を偽って生きていた経験があって、そういった部分が物語の中にじわじわと表れてくるんです。ミステリー仕立てにもなっていて、役者さんたちの演技もとても素晴らしいです。人間はいろんな側面を持っているんだなと気づかせてくれる作品です」
春名「僕は見ていませんが、ふだん自分でも隠している部分を、他人を見つめることで気づかされる、という感じですかね」
Kさん「そんな感じです」
◆ 怒り(2016年.李相日監督)
Eさん「渡辺謙さん、宮﨑あおいさん、森山未來さん、広瀬すずさんなどが出演されています。そういえば妻夫木さんも出ていました。全員、演技がうまくて、後味はよくないんですけど、劇場で見て圧倒されました。残酷な罪を犯した殺人犯が逃亡していて、それが誰かを探すんですが、全員に可能性があるんです。ラストもなるほどと思わせるもので、とても印象的でした。かなり重い内容なので、心が安定してる時に観た方がいいですね」
春名「Eさんは、どなたか好きな俳優さんはいらっしゃいますか?」
Eさん「この映画に出ているなかだと、森山未來さんとか、広瀬すずさんが好きです。あとは、長澤まさみさんも好きですね」
春名「長澤まさみさんは演技もうまいし、いいですよね。その二人だとまさに、『海街diary』ですよね」
春名「Eさんは、どなたか好きな俳優さんはいらっしゃいますか?」
Eさん「この映画に出ているなかだと、森山未來さんとか、広瀬すずさんが好きです。あとは、長澤まさみさんも好きですね」
春名「長澤まさみさんは演技もうまいし、いいですよね。その二人だとまさに、『海街diary』ですよね」
◆ 紙の月(2014年.吉田大八監督)
あでりー「今、いろいろな話を聞いていてふと思い出した作品です。すごく不思議な雰囲気の映画で、なんかずっとふわふわと漂ってるような感じが印象的でした。自分の中で何か引っかかってたんだなって思います」
春名「『桐島、部活やめるってよ』を撮った吉田大八監督の、次の作品ですね。宮沢りえさんが銀行員の役で、横領をしてしまうんです」
あでりー「普通の、一般的な家庭の人が変わっていってしまう。誰にでもそうなる可能性はあるのかなと考えさせられました。どこで自分を止めるか、どこまで自分を偽って生きていくか、そういう問いがあって、どこか気になった作品でした」
春名「この作品は、主人公がなぜ銀行で横領をしたのか、その背景が深く掘り下げられていくんです。たとえば彼女は中学の頃から、海外の恵まれない子どもたちのために、1万円とか2万円とか、中学生にしては異常な額を平気で寄付するような子だったんです。その後、池松壮亮さん演じる年下の男性と恋に落ちるんですけど、その彼にいろんな物を買ってあげるようになるんです。最初は彼も喜ぶんだけど、だんだんそれがエスカレートしていって、マンションまで買ってあげたりして、重くなりすぎて、結局離れていく。彼女は、とにかく人に何かを与えていないと自分が愛されないと思い込んでいたんだと思います」
春名「『桐島、部活やめるってよ』を撮った吉田大八監督の、次の作品ですね。宮沢りえさんが銀行員の役で、横領をしてしまうんです」
あでりー「普通の、一般的な家庭の人が変わっていってしまう。誰にでもそうなる可能性はあるのかなと考えさせられました。どこで自分を止めるか、どこまで自分を偽って生きていくか、そういう問いがあって、どこか気になった作品でした」
春名「この作品は、主人公がなぜ銀行で横領をしたのか、その背景が深く掘り下げられていくんです。たとえば彼女は中学の頃から、海外の恵まれない子どもたちのために、1万円とか2万円とか、中学生にしては異常な額を平気で寄付するような子だったんです。その後、池松壮亮さん演じる年下の男性と恋に落ちるんですけど、その彼にいろんな物を買ってあげるようになるんです。最初は彼も喜ぶんだけど、だんだんそれがエスカレートしていって、マンションまで買ってあげたりして、重くなりすぎて、結局離れていく。彼女は、とにかく人に何かを与えていないと自分が愛されないと思い込んでいたんだと思います」
◆ 恋人たち(2015年.橋口亮輔監督)
春名「橋口亮輔という監督が僕は好きなんですが、一番有名なのは『ぐるりのこと。』という映画ですね。この『恋人たち』は三人の主人公がいて、それぞれの視点で物語が進んでいくんですが、メインは若い男性です。彼はあるショッキングな出来事を経て、そのせいで働けなくなってしまいます。それでもなんとか生活を続けていくんですが、お金もなくて、役所に行っても冷たく扱われて、どんどん追い詰められていきます。二人目は、夢を抱きながら普通の生活を送る主婦で、ある時、自分の夢を熱く語る男性と知り合い、惹かれていきます。さらにもう一人は悪徳弁護士。彼はゲイで、狡猾な考え方を持っているけれど、彼なりにやりきれない人生を抱えています。この映画は、心の深いところをえぐりとるような、実に痛い作品です。あでりーさんと一緒に見ましたが、『生々しすぎる』という感想でしたね。
本作でもう一つ印象に残ったのが、主婦と男性が仲良くなるシーンです。映画で男女の出会うシーンというと、たいてい見た目がいいことで惹かれ合うくらいなんですが、本作での男女が仲良くなる過程は本当にリアルでした。『これなら仲良くなるな』と納得できる描写で、とても説得力があるんです。そしてラストのほうには本当に痛いシーンもあって、僕はもう、後半は涙なしでは観られなかったです」
本作でもう一つ印象に残ったのが、主婦と男性が仲良くなるシーンです。映画で男女の出会うシーンというと、たいてい見た目がいいことで惹かれ合うくらいなんですが、本作での男女が仲良くなる過程は本当にリアルでした。『これなら仲良くなるな』と納得できる描写で、とても説得力があるんです。そしてラストのほうには本当に痛いシーンもあって、僕はもう、後半は涙なしでは観られなかったです」
◆ 男はつらいよ(1969年.山田洋次監督)
Kさん「一番最初にいいなと思った映画が、本作です。親がよく観ていたので、自然と一緒に観ていました。寅さんの妹が結婚する話で、人情味のある映画だなと思いました。そういう意味では、自分が映画を好きになる、あるいはいろんな映画を観てみようと思うようになった、きっかけの一本かもしれません」
春名「第一作目は1969年ですね。僕はこのシリーズのリアルタイム世代ですが、僕の親は洋画のほうが好きだったので、ちゃんと観たのはだいぶ後になってからでした」
Kさん「僕らの世代が子どもの頃に観ていたのは、本作みたいな昔の映画とは全然違うんですよね。昔の映画は、その時代の雰囲気があるのがいいと思います」
春名「僕は70年代に子ども時代を過ごしたので、やっぱりそういう懐かしさもありますね。本作は、寅さんがやんちゃで常識外れなことをして、それに周囲が振り回されて笑いが引き起こされる、という構図です。ただ、僕も何作か観たことあるんですが、作品によっては寅さんがちょっとやり過ぎちゃって、苦々しく思うようなこともありました。たとえば、洋画の『ハングオーバー』に出てくるザック・ガリフィアナキスとか、演技は面白いんだけど、こんな人リアルにいたら絶対嫌だな、というような感じです。特に今の時代だったら、コンプライアンス的にアウトな描写もありますし」
春名「第一作目は1969年ですね。僕はこのシリーズのリアルタイム世代ですが、僕の親は洋画のほうが好きだったので、ちゃんと観たのはだいぶ後になってからでした」
Kさん「僕らの世代が子どもの頃に観ていたのは、本作みたいな昔の映画とは全然違うんですよね。昔の映画は、その時代の雰囲気があるのがいいと思います」
春名「僕は70年代に子ども時代を過ごしたので、やっぱりそういう懐かしさもありますね。本作は、寅さんがやんちゃで常識外れなことをして、それに周囲が振り回されて笑いが引き起こされる、という構図です。ただ、僕も何作か観たことあるんですが、作品によっては寅さんがちょっとやり過ぎちゃって、苦々しく思うようなこともありました。たとえば、洋画の『ハングオーバー』に出てくるザック・ガリフィアナキスとか、演技は面白いんだけど、こんな人リアルにいたら絶対嫌だな、というような感じです。特に今の時代だったら、コンプライアンス的にアウトな描写もありますし」
◆ 阪急電車(2011年.三宅喜重監督)
Eさん「当時観たときにすごく好きでした。まだ小さかった芦田愛菜ちゃんが出ています。有村架純さんや鈴木亮平さんも、売れる前の時期に出ていました。ほっこり系の映画で、それぞれの登場人物が抱える問題に対して、阪急電車の中で出会った人からアドバイスをもらったりして、少しずつ気持ちや考え方が変わっていくような話です」
春名「群像劇っぽい感じですね。登場人物たちはそれぞれ絡み合うんですか?」
Eさん「完全にみんなが交差するって感じではないですが、緩やかにつながっている人たちもいるという印象ですね。当時、自分は学生で、中谷美紀さんがあまりにもカッコよすぎて、憧れの気持ちで観てました」
あでりー「最近は、小説や漫画が原作の映画が本当に多いですよね」
春名「映画って制作にお金がかかるから、有名な原作がある方が、集客の見込みが立つし、出資者からも安心されやすいんですよね。さっき紹介した『恋人たち』は監督さんのオリジナル脚本で、なんの後ろ盾もなかったから、めちゃくちゃ大ヒットというわけではなかったけれど、根強いファンがいて、僕も新作があれば必ず観に行く監督の一人です。『ぐるりのこと。』も大好きでした。リリー・フランキーさんと木村多江さんが夫婦役なんです。子どもができなかったか何かで奥さんが精神的に不安定になり、夫はいい加減な人間なんですけど、それなりに奥さんをいたわり続けます。聖人君子じゃない人達が、なんとか一緒に生きていくという映画でした」
春名「群像劇っぽい感じですね。登場人物たちはそれぞれ絡み合うんですか?」
Eさん「完全にみんなが交差するって感じではないですが、緩やかにつながっている人たちもいるという印象ですね。当時、自分は学生で、中谷美紀さんがあまりにもカッコよすぎて、憧れの気持ちで観てました」
あでりー「最近は、小説や漫画が原作の映画が本当に多いですよね」
春名「映画って制作にお金がかかるから、有名な原作がある方が、集客の見込みが立つし、出資者からも安心されやすいんですよね。さっき紹介した『恋人たち』は監督さんのオリジナル脚本で、なんの後ろ盾もなかったから、めちゃくちゃ大ヒットというわけではなかったけれど、根強いファンがいて、僕も新作があれば必ず観に行く監督の一人です。『ぐるりのこと。』も大好きでした。リリー・フランキーさんと木村多江さんが夫婦役なんです。子どもができなかったか何かで奥さんが精神的に不安定になり、夫はいい加減な人間なんですけど、それなりに奥さんをいたわり続けます。聖人君子じゃない人達が、なんとか一緒に生きていくという映画でした」
◆ 伊能忠敬 子午線の夢(2001年.小野田嘉幹監督)
あでりー「22~23年前の映画です。伊能忠敬は子午線を発見したんですが、タッチの差で遅れて、最初の発見者になれなかった人です。公開時、岡崎では上映していなくて豊川まで見に行きました。観客は、3人くらいのおじさんがいるだけでした。伊能忠敬は50歳ぐらいから日本地図を作ろうと思って、測量術を学んで、全国を歩いて地図を作ったんです。江戸時代の50歳って、今でいうと70歳くらいですかね。すごく壮大な話なんですが、友達を誘っても誰も来てくれませんでした」
春名「役者は、加藤剛さん、賀来千香子さん、西田ひかるさんと、なかな豪華ですね」
春名「役者は、加藤剛さん、賀来千香子さん、西田ひかるさんと、なかな豪華ですね」
◆ 地球交響曲(1992年.龍村仁監督)
あでりー「これはドキュメンタリーなんですけど、一つの映画の中に3~4人くらいの人物が登場して、それぞれの人生観を引き出していく作品です。通常の劇場公開ではなく、有志の人が自主上映会を開催する形で上映されます。私達も以前、名古屋で数回見に行きました。すごく心に響く作品です」
春名「僕は第三番がいちばん好きで、写真家の星野道夫さんがメインの登場人物になります。撮影が決まってから亡くなってしまいましたが、違う形で作品化されました。作中では他にも、古代カヌーに乗り、近代技術を使わずにハワイからタヒチまでの5000キロを航行したナイノア・トンプソンが出てきます」
あでりー「2、3年前に、星野さんの昔のフィルムが発見されて、それをなんとか修復して展示した写真展がありました。今でも時々どこかで写真展が開かれています」
春名「優しい写真を撮る人ですね。同じく動物写真家の岩合光昭さんは、ライオンとかの割と激しい写真を取りますが、星野さんの場合はもっと優しい感じで動物や自然を撮るんです」
あでりー「本が好きなら、『旅をする木』という星野さんのエッセイ集が素晴らしいです」
春名「僕もいろんな本を読んでいますが、星野さんのエッセイは何度も読み返してるくらい好きな本です。小説家みたいに巧みな文章ではないんだけど、ものすごく心に突き刺さるような文章を書くんです。 だから僕、読書会でこの本を紹介することが多いですね」
春名「僕は第三番がいちばん好きで、写真家の星野道夫さんがメインの登場人物になります。撮影が決まってから亡くなってしまいましたが、違う形で作品化されました。作中では他にも、古代カヌーに乗り、近代技術を使わずにハワイからタヒチまでの5000キロを航行したナイノア・トンプソンが出てきます」
あでりー「2、3年前に、星野さんの昔のフィルムが発見されて、それをなんとか修復して展示した写真展がありました。今でも時々どこかで写真展が開かれています」
春名「優しい写真を撮る人ですね。同じく動物写真家の岩合光昭さんは、ライオンとかの割と激しい写真を取りますが、星野さんの場合はもっと優しい感じで動物や自然を撮るんです」
あでりー「本が好きなら、『旅をする木』という星野さんのエッセイ集が素晴らしいです」
春名「僕もいろんな本を読んでいますが、星野さんのエッセイは何度も読み返してるくらい好きな本です。小説家みたいに巧みな文章ではないんだけど、ものすごく心に突き刺さるような文章を書くんです。 だから僕、読書会でこの本を紹介することが多いですね」
◆ 寝ても覚めても(2018年.濱口竜介監督)
Eさん「本作は、問題作なんですが、好きでした」
春名「唐田えりかさんと東出昌大さんのね」
Eさん「演技はどうなんだろうと思いながら見たんですけど、割とリアルな感じでした」
春名「東出君は僕も好きで、演技が下手だという人もいるけど、僕はそうでもないと思います」
Eさん「声が特徴的なので、ちょっと浮いちゃう感じがあるかもしれません」
春名「この映画がきっかけで、東出君はちょっと転落しちゃいましたけど」
Eさん「唐田さんもそうですね。映画は良かったので、なんとも言えない感じです」
春名「唐田さんは、去年の映画の『ナミビアの砂漠』に、主人公のお隣さん役で出ていました。それから東出君は、『桐島、部活やめるってよ』が一番好きです」
Eさん「あれは良かったですよね」
春名「高校生と先生しか出てこない映画で、僕の人生と全然関係はないんだけど、人間がどうやって生きていくのかということを描いていて、普遍性があるんですよね」
Eさん「原作が朝井リョウさんですよね。私と同世代なので、好きな作家さんです。就活の時に『何者』という小説を呼んで、すごく刺さりました」
春名「朝井リョウさんは、『正欲』も読んだことがあります」
Eさん「あれも衝撃的で、よかったですね。映画化もされましたし」
春名「いっぽう『桐島、部活やめるってよ』は、映画のほうが断然好きです。ラスト近くで、吹奏楽の『ローエングリーン』という曲が流れ始めて、その裏でいろんな出来事が起こるんです。主人公がゾンビの映画を撮っているところにバレー部が殴り込んできて、想像の中で相手をやっつけるんだけど、現実にはボコボコにされてるという展開でした。僕はもう、吹奏楽の音が鳴り始めた瞬間ぐらいから泣いてます」
Eさん「桐島が出てこないところがすごいですよね」
あでりー「やっぱりタイトルに引きがあるから、何だろうと思わせるんでしょうね」
春名「あのタイトルは本当に秀逸です。こうして何年も残ってるわけですから」
春名「唐田えりかさんと東出昌大さんのね」
Eさん「演技はどうなんだろうと思いながら見たんですけど、割とリアルな感じでした」
春名「東出君は僕も好きで、演技が下手だという人もいるけど、僕はそうでもないと思います」
Eさん「声が特徴的なので、ちょっと浮いちゃう感じがあるかもしれません」
春名「この映画がきっかけで、東出君はちょっと転落しちゃいましたけど」
Eさん「唐田さんもそうですね。映画は良かったので、なんとも言えない感じです」
春名「唐田さんは、去年の映画の『ナミビアの砂漠』に、主人公のお隣さん役で出ていました。それから東出君は、『桐島、部活やめるってよ』が一番好きです」
Eさん「あれは良かったですよね」
春名「高校生と先生しか出てこない映画で、僕の人生と全然関係はないんだけど、人間がどうやって生きていくのかということを描いていて、普遍性があるんですよね」
Eさん「原作が朝井リョウさんですよね。私と同世代なので、好きな作家さんです。就活の時に『何者』という小説を呼んで、すごく刺さりました」
春名「朝井リョウさんは、『正欲』も読んだことがあります」
Eさん「あれも衝撃的で、よかったですね。映画化もされましたし」
春名「いっぽう『桐島、部活やめるってよ』は、映画のほうが断然好きです。ラスト近くで、吹奏楽の『ローエングリーン』という曲が流れ始めて、その裏でいろんな出来事が起こるんです。主人公がゾンビの映画を撮っているところにバレー部が殴り込んできて、想像の中で相手をやっつけるんだけど、現実にはボコボコにされてるという展開でした。僕はもう、吹奏楽の音が鳴り始めた瞬間ぐらいから泣いてます」
Eさん「桐島が出てこないところがすごいですよね」
あでりー「やっぱりタイトルに引きがあるから、何だろうと思わせるんでしょうね」
春名「あのタイトルは本当に秀逸です。こうして何年も残ってるわけですから」