イベント開催報告
◆2025.12.2 Keswick映画会
〈好きな「洋画」を紹介し合いましょう〉
〈好きな「洋画」を紹介し合いましょう〉
今回は「洋画」をテーマに語り合いました。かなり昔の映画から、フランス、インド、中国、台湾など幅広い国、ドキュメンタリーを含む幅広いジャンルで話が広がっていきました。
【紹介された映画】
※以下は、参加者さんの発言そのものではなく、要約・編集したものを会話風にまとめたものです。あらすじ等を主催者側で付加している部分もあります。
◆ キャバレー(1972年.ボブ・フォッシー監督)
イベント参加2回めのYさん「映画は大好きで、洋画を中心に見ています。本作はライザ・ミネリが主演し、振付師のボブ・フォッシーが監督した作品です。ナチスが台頭し始める頃のドイツが舞台です。ミュージカルなのでときおり歌がはさまれますが、急に踊りだすといった演出はありません。日本版のミュージカルでは、長澤まさみさんが主演でした。ボブ・フォッシーが演出したミュージカル『シカゴ』も、2002年に映画化されました。シカゴの刑務所を舞台にした作品で、キャサリン・ゼタ=ジョーンズやレネー・ゼルウィガーが出ていました。
◆
過去のない男(2002年.アキ・カウリスマキ監督)
春名「監督はフィンランドの人で、社会の底辺にいる人々を淡々と描く作品を撮り続けています。本作では、記憶をなくした男性が病院から抜け出し、貧しい一家に拾われたり、救世軍で働く女性と恋に落ちたりします」
Yさん「フィンランドというと、お金があっておしゃれで、というイメージなので、そういう社会の底辺の人がいるんだというのは驚きです」
春名「主人公は本当に貧しくて、電気も近くの電線から勝手に引いて使っています。頑張って働けばいいんですが、ぐうたらでタバコを吸って酒を飲むような、ぜんぜん偉大でもない、本当にしょうもない人なんです(笑)。でもどこか憎めなくて惹かれるんです」
あでりー「私もこの監督の作品は、何がいいとは言いにくいんですが頭に残るんです。この主人公も、どうしようもないんだけど、これが人間だなと思わせてくれます。身の丈以下、という感じですね」
Yさん「私は、まわりに適応しなきゃとか、がんばらなきゃと思ったりして窮屈になることも多いんですが、このままでいいんだと思わせてくれそうですね」
春名「彼と恋愛関係になる女性もすごく地味で、二人のやりとりもぎこちなくて全然ロマンチックではありません。まわりの人も、彼に冷たくしながらも結局は助けてくれたりします。偉そうな警官が彼に、『俺の言うことを聞かないと、ハンニバルという名前の猛犬にお前を襲わせるぞ』と言って脅すんですが、やってきたハンニバルは、ものすごく可愛い小犬なんです(笑)。そういう、独特のユーモアがあふれています。映像もきれいで、音楽も日本の昔の歌謡曲に似ていて馴染みがあります。
この監督の映画は、駄目人間が最後まで成長しないような作品が多いですが、元気をもらえる気もするんです。他には『浮雲』という作品もあって、やっぱり駄目な男と女が失業して一緒にレストランを開く話です。うまくいかないことばかりなんだけど、偶然手を貸してくれる人も現れたりして、ぎりぎりのところで店を開いて、小さな希望が見えて終わる感じです」
あでりー「確かその映画だったと思いますが、なけなしのお金をなんとか増やそうとして、ぜんぶギャンブルでなくしてしまう様を、短いショットでユーモラスに表現していました」
Yさん「フィンランドというと、お金があっておしゃれで、というイメージなので、そういう社会の底辺の人がいるんだというのは驚きです」
春名「主人公は本当に貧しくて、電気も近くの電線から勝手に引いて使っています。頑張って働けばいいんですが、ぐうたらでタバコを吸って酒を飲むような、ぜんぜん偉大でもない、本当にしょうもない人なんです(笑)。でもどこか憎めなくて惹かれるんです」
あでりー「私もこの監督の作品は、何がいいとは言いにくいんですが頭に残るんです。この主人公も、どうしようもないんだけど、これが人間だなと思わせてくれます。身の丈以下、という感じですね」
Yさん「私は、まわりに適応しなきゃとか、がんばらなきゃと思ったりして窮屈になることも多いんですが、このままでいいんだと思わせてくれそうですね」
春名「彼と恋愛関係になる女性もすごく地味で、二人のやりとりもぎこちなくて全然ロマンチックではありません。まわりの人も、彼に冷たくしながらも結局は助けてくれたりします。偉そうな警官が彼に、『俺の言うことを聞かないと、ハンニバルという名前の猛犬にお前を襲わせるぞ』と言って脅すんですが、やってきたハンニバルは、ものすごく可愛い小犬なんです(笑)。そういう、独特のユーモアがあふれています。映像もきれいで、音楽も日本の昔の歌謡曲に似ていて馴染みがあります。
この監督の映画は、駄目人間が最後まで成長しないような作品が多いですが、元気をもらえる気もするんです。他には『浮雲』という作品もあって、やっぱり駄目な男と女が失業して一緒にレストランを開く話です。うまくいかないことばかりなんだけど、偶然手を貸してくれる人も現れたりして、ぎりぎりのところで店を開いて、小さな希望が見えて終わる感じです」
あでりー「確かその映画だったと思いますが、なけなしのお金をなんとか増やそうとして、ぜんぶギャンブルでなくしてしまう様を、短いショットでユーモラスに表現していました」
◆
ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年.ラース・フォン・トリアー監督)
Yさん「私はガツンとショックを受けるような、感情を揺さぶるような映画も好きです」
春名「『ダンサー・イン・ザ・ダーク』はどうでしたか?」
Yさん「あれは……しんどくないですか?」
春名「僕も、もう一度見る元気はないですね。劇場で見た人は、立ち上がれなかったと言ってました。まあ、主人公の頭の中ではきれいなミュージカルシーンが流れているんでしょうね」
Yさん「アメリカンドリームを皮肉ったような内容でした」
春名「この監督の他の映画も、きつい作品ばかりでした。ショックという意味でいうと、イランのアスガー・ファルハディ監督の映画もすごいですよ。『セールスマン』という映画では、妻をレイプされた男が犯人を探していくんだけど、なんともやりきれない展開を迎えます。あの人の映画も見ている時は面白いけど、二度は見たくないですね」
春名「『ダンサー・イン・ザ・ダーク』はどうでしたか?」
Yさん「あれは……しんどくないですか?」
春名「僕も、もう一度見る元気はないですね。劇場で見た人は、立ち上がれなかったと言ってました。まあ、主人公の頭の中ではきれいなミュージカルシーンが流れているんでしょうね」
Yさん「アメリカンドリームを皮肉ったような内容でした」
春名「この監督の他の映画も、きつい作品ばかりでした。ショックという意味でいうと、イランのアスガー・ファルハディ監督の映画もすごいですよ。『セールスマン』という映画では、妻をレイプされた男が犯人を探していくんだけど、なんともやりきれない展開を迎えます。あの人の映画も見ている時は面白いけど、二度は見たくないですね」
◆
潜水服は蝶の夢を見る(2007年.ジュリアン・シュナーベル監督)
あでりー「脳梗塞で全身不随になった人が描かれる、実話を元にした映画です。わずかに動くまぶたでコミュニケーションを取り、自分の思いを最終的に本にするまでが描かれます。本作を見ると、そういう立場に陥った人が、本当はどう思っているかがわかります。人として、確かにそうだなと思うところが多くて、すごく考えさせられる作品でした」
Yさん「人生ってそうやって、とつぜん変わりますよね。日常がずっと続くように思ってしまいますが、違うんです。日本でも、オリィ研究所ということろで、ロボットを通して意思表示をする福祉サービスがあり、寝たきりの人が外で働けるようになったりしています。そこでは、人間の視線を感知してコミュニケーションを取る方法も使われています」
春名「人間はいつどうなるかわからないというのは、僕もこの年になって強く思いますね。今日死んでしまうかもしれない、と思って毎日生きています」
Yさん「スティーブ・ジョブズが17歳か18歳の時に、人間はいつか必ず死ぬということを本で読み、それから毎朝、今日が人生最後の日だと思って生きるようになったらしいです。それを知ってから私も、今日が人生最後の日ならちょっとかわいい服を着ようかな、とか考えるようになりました。終わりがあると思うと、親や友人も大事にしようと思います」
春名「それは旅行に行くと強く感じることで、限られた日数だからこそ十全にその日を楽しもうと思います。それと同じで、普通に暮らしている毎日だって今日が最後だと思えたら、その日を充実して生きようと思うようになります。死なないまでも、半身不随になるとか目が見えなくなるとかいくらでも考えられるので、そうなったあとで後悔しないように、毎日生きようと思っています」
Yさん「人生ってそうやって、とつぜん変わりますよね。日常がずっと続くように思ってしまいますが、違うんです。日本でも、オリィ研究所ということろで、ロボットを通して意思表示をする福祉サービスがあり、寝たきりの人が外で働けるようになったりしています。そこでは、人間の視線を感知してコミュニケーションを取る方法も使われています」
春名「人間はいつどうなるかわからないというのは、僕もこの年になって強く思いますね。今日死んでしまうかもしれない、と思って毎日生きています」
Yさん「スティーブ・ジョブズが17歳か18歳の時に、人間はいつか必ず死ぬということを本で読み、それから毎朝、今日が人生最後の日だと思って生きるようになったらしいです。それを知ってから私も、今日が人生最後の日ならちょっとかわいい服を着ようかな、とか考えるようになりました。終わりがあると思うと、親や友人も大事にしようと思います」
春名「それは旅行に行くと強く感じることで、限られた日数だからこそ十全にその日を楽しもうと思います。それと同じで、普通に暮らしている毎日だって今日が最後だと思えたら、その日を充実して生きようと思うようになります。死なないまでも、半身不随になるとか目が見えなくなるとかいくらでも考えられるので、そうなったあとで後悔しないように、毎日生きようと思っています」
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バニラ・スカイ(2001年.キャメロン・クロウ監督)
Yさん「物には実体がなくて、物の見方は人によって違いますし、その人の捉え方しだいだと思います。そういう意味でこの映画は興味深くて、今見ているものは本当に事実なのか夢なのかは誰にもわからず、現実は人によっていろんな捉え方があるという内容です。本作は、1997年のスペイン映画『オープン・ユア・アイズ』のリメイクで、ポール・マッカートニーのテーマ曲もいいですね。
トム・クルーズ演じる主人公は、キャメロン・ディアス演じる女性を好きなように使っていたんですが、ペネロペ・クルス演じる女性のほうを好きになります。その後、交通事故に遭った主人公は怪我で無惨な顔になってしまい、それからずっと夢の中で生きているような状態になります。この映画は仏教の空の思想を表していて、今生きている現実は実体のないものだと教えてくれる作品です」
春名「自分の実体は肉体から離れたところにあるという考えは、昔からありますよね。そして、それを否定することはできません」
Yさん「トム・クルーズ、キャメロン・ディアス、ペネロペ・クルスが共に美しい、黄金期の映画ですね。でも最初に見た時は意味がよくわからなくて、2~3年前くらいに見た時に、ああこういうことなのかと理解できました。これに通じる作品では、『ファイト・クラブ』がありますね」
春名「トム・クルーズは、『ミッション・インポッシブル』など、体を張ってスタントをしているので尊敬しています。もちろん命綱をつけて演じるんですが、ビルの屋上から隣のビルに本当に飛び移ったり、飛んでいる飛行機の側面にしがみついたりしています」
Yさん「トム・クルーズの映画はあまり見ていませんが、バーテンダーを演じた『カクテル』を見ました」
あでりー「たしかトム・クルーズは識字障害を抱えていて、映画のセリフは人に読んでもらったのを覚えていると聞きました」
春名「トム・クルーズは『レインマン』も印象的でした。ダスティン・ホフマン演じるお兄さんが自閉症で、いがみあい、いたわりあいながら兄弟で生きていくという話でした」
トム・クルーズ演じる主人公は、キャメロン・ディアス演じる女性を好きなように使っていたんですが、ペネロペ・クルス演じる女性のほうを好きになります。その後、交通事故に遭った主人公は怪我で無惨な顔になってしまい、それからずっと夢の中で生きているような状態になります。この映画は仏教の空の思想を表していて、今生きている現実は実体のないものだと教えてくれる作品です」
春名「自分の実体は肉体から離れたところにあるという考えは、昔からありますよね。そして、それを否定することはできません」
Yさん「トム・クルーズ、キャメロン・ディアス、ペネロペ・クルスが共に美しい、黄金期の映画ですね。でも最初に見た時は意味がよくわからなくて、2~3年前くらいに見た時に、ああこういうことなのかと理解できました。これに通じる作品では、『ファイト・クラブ』がありますね」
春名「トム・クルーズは、『ミッション・インポッシブル』など、体を張ってスタントをしているので尊敬しています。もちろん命綱をつけて演じるんですが、ビルの屋上から隣のビルに本当に飛び移ったり、飛んでいる飛行機の側面にしがみついたりしています」
Yさん「トム・クルーズの映画はあまり見ていませんが、バーテンダーを演じた『カクテル』を見ました」
あでりー「たしかトム・クルーズは識字障害を抱えていて、映画のセリフは人に読んでもらったのを覚えていると聞きました」
春名「トム・クルーズは『レインマン』も印象的でした。ダスティン・ホフマン演じるお兄さんが自閉症で、いがみあい、いたわりあいながら兄弟で生きていくという話でした」
◆
きっと、うまくいく(2009年.ラージクマール・ヒラーニ監督)
春名「単純にすごく面白くて泣けて、大好きなインド映画です」
Yさん「これ、見たかったんですよ! 見よう見ようと思っていたら配信から消えてました」
春名「インド映画特有の踊りや歌も嫌味がない程度に抑えられていて、歌もいいし、とにかくストーリーが素晴らしい。大学に通う男性3人が厳しい学長と対立するんだけど、いろんな危機を自分の知恵で乗り越えていき、最後は学長の危機さえ解決する様が痛快です。友情の大切さや、がんばればうまくいくという前向きなメッセージ、さらに学歴社会で自殺が多いという社会状況も盛り込みつつ、笑って泣けてハッピーになれる、素晴らしい作品です」
Yさん「インド映画は大好きで、『踊るマハラジャ』から見ています。いちばん好きなのは、『マダム・イン・ニューヨーク』です。男女の結婚は、互いに尊重し合う友情に基づくものだと教えてくれる映画です。夫からディスられている女性が英語の勉強をするんですが、最後に彼女が、自分の結婚は見た目の美しさで成り立っているだけで、人間として扱われていないことを訴えるんです。やはり男女関係は、友情から始まりそこから付き合い始めるというステップが大事だと感じます」
あでりー「インドは男尊女卑がすごいでしょうね」
Yさん「これ、見たかったんですよ! 見よう見ようと思っていたら配信から消えてました」
春名「インド映画特有の踊りや歌も嫌味がない程度に抑えられていて、歌もいいし、とにかくストーリーが素晴らしい。大学に通う男性3人が厳しい学長と対立するんだけど、いろんな危機を自分の知恵で乗り越えていき、最後は学長の危機さえ解決する様が痛快です。友情の大切さや、がんばればうまくいくという前向きなメッセージ、さらに学歴社会で自殺が多いという社会状況も盛り込みつつ、笑って泣けてハッピーになれる、素晴らしい作品です」
Yさん「インド映画は大好きで、『踊るマハラジャ』から見ています。いちばん好きなのは、『マダム・イン・ニューヨーク』です。男女の結婚は、互いに尊重し合う友情に基づくものだと教えてくれる映画です。夫からディスられている女性が英語の勉強をするんですが、最後に彼女が、自分の結婚は見た目の美しさで成り立っているだけで、人間として扱われていないことを訴えるんです。やはり男女関係は、友情から始まりそこから付き合い始めるというステップが大事だと感じます」
あでりー「インドは男尊女卑がすごいでしょうね」
◆
KANO 1931海の向こうの甲子園(2014年.馬志翔監督)
あでりー「Yさんが台湾をお好きなようなので、歴史を知る意味で本作をご紹介します。台湾の嘉義という町にある嘉義農業高校(通称KANO)という高校の話で、日本統治時代にこの高校の野球部が甲子園に行くんです。日本人は台湾人を見下していたんですが、この野球部の監督は対等に扱っていて、原住民や漢民族それぞれに秀でたところを活かしてチームを作り上げ、甲子園の決勝戦まで進むんです」
春名「僕らは、この6月に台湾に行く直前に配信で見ました」
Yさん「台湾関連だと、『宋家の三姉妹』も良かったですね。1900年代の中国に生きる宋家の三姉妹の物語です。孫文の秘書だった長女が富豪と結婚し、次女が孫文と結婚、三女は蒋介石と結婚します。長女をミシェル・ヨー、次女をマギー・チャンが演じています。お金がかかった大作で見応えがありました。革命の時代の中国を描いた映画が好きで、チェン・カイコー監督の『さらば我が愛/覇王別姫』、チャン・イーモウ監督の『活きる』も好きです。清王朝から中華民国へ移っていく時代に、日本が海外進出していくあたりもおもしろいです。大学時代、中国語研究会に入っていました。あまりしゃべれませんが」
春名「僕らは、この6月に台湾に行く直前に配信で見ました」
Yさん「台湾関連だと、『宋家の三姉妹』も良かったですね。1900年代の中国に生きる宋家の三姉妹の物語です。孫文の秘書だった長女が富豪と結婚し、次女が孫文と結婚、三女は蒋介石と結婚します。長女をミシェル・ヨー、次女をマギー・チャンが演じています。お金がかかった大作で見応えがありました。革命の時代の中国を描いた映画が好きで、チェン・カイコー監督の『さらば我が愛/覇王別姫』、チャン・イーモウ監督の『活きる』も好きです。清王朝から中華民国へ移っていく時代に、日本が海外進出していくあたりもおもしろいです。大学時代、中国語研究会に入っていました。あまりしゃべれませんが」
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ヤング@ハート(2008年.スティーヴン・ウォーカー監督)
春名「アメリカのコーラスグループを描いたドキュメンタリー映画です。メンバーが平均年齢80歳の高齢者で、いろんな曲を練習していろんな場所で発表する姿が描かれます。とにかく、めちゃくちゃ元気づけられます」
あでりー「一緒に見ましたが、最高の映画でした!」
春名「高齢者だから簡単な曲をやればいいのに、リーダーの男性がスパルタで、難しい曲ばかり歌わせるんです。だからメンバーは文句を言うんですが、練習していくと少しずつ歌えるようになっていくんです。それが健康につながるし、生きる目的にもなっています」
Yさん「すごいですね。ボケ防止になるし体も鍛えられますね。私は歌が好きで、高校ではコーラス部に入っていたので、この映画、見てみたいです」
春名「グループが刑務所に慰問に行くシーンもいいんです。比較的若い受刑者が多いところで、いかつい兄ちゃん達がたくさんいて、最初は老人だからとバカにして見ていたのに、だんだんみんなの表情が変わっていきます。歌のあとに一人の男性が近寄ってきて、『俺の人生で一番のパフォーマンスだったよ!』と声をかけてくれるんです」
あでりー「ラストのあたりに出てくる、コールドプレイの『フィックス・ユー』も素晴らしかったです。男性二人で歌うはずが、本番数日前に一人が亡くなってしまい、一人で歌うんですが、それがもう切なくて切なくて」
春名「その男性も体調は悪くて、酸素吸入のチューブを鼻に入れた状態で、椅子に座って歌うんです。その人の声がすごくいいんですよ」
あでりー「酸素吸入を受けているから、そんなに声も出なくてささやくように歌うんですが、それがまたいいんです。歌詞の内容が、『そばにいるよ』という内容なので、亡くなったもう一人の男性もそばにいる、という意味にも聞こえます」
春名「元々は男女の恋愛を歌った曲なんですが、その人が歌うと人生を歌った曲に聞こえます。めちゃくちゃ元気になる映画ですよ」
あでりー「ふだん、小さいことを気にして生きている自分に、こんなんじゃだめだと気づかせてくれる映画です」
春名「そうそう、人間の可能性はいくらでもあるんです」
Yさん「可能性は無限大ですよね。このつながりだと、『カルテット!人生のオペラハウス』という老人ホームを舞台にした映画も良かったです。そこでも登場人物たちが、人生の重みのある演奏と歌声を披露してくれるんです。私は日本でも細川たかしとか小林幸子とか、演歌が好きなんです。若い人にはない、人生の重みや悲哀を感じさせてくれます」
春名「この映画のあと、日本に彼らが来日したことがあって、二人で見に行ったんです。最後の曲で、『日本の曲を披露します』とアナウンスされたので、『さくらさくら』とか『花』あたりのやさしい曲かと思っていたら、なんとブルーハーツの『リンダ・リンダ』で、しかも日本語で歌ってくれたので、びっくりしました。その次にはRCサクセションの『雨上がりの夜空に』を歌ってくれて、会場は超大盛りあがりでした」
Yさん「若い頃は、若さこそすべてみたいに思いがちですが、年をとると、年をとったからこそわかる人生の素晴らしさがありますね。だから民謡とか演歌の凄みを感じられて、人間の良さや哀しみもわかるようになりました。年をとるのもいいことだと思います」
あでりー「一緒に見ましたが、最高の映画でした!」
春名「高齢者だから簡単な曲をやればいいのに、リーダーの男性がスパルタで、難しい曲ばかり歌わせるんです。だからメンバーは文句を言うんですが、練習していくと少しずつ歌えるようになっていくんです。それが健康につながるし、生きる目的にもなっています」
Yさん「すごいですね。ボケ防止になるし体も鍛えられますね。私は歌が好きで、高校ではコーラス部に入っていたので、この映画、見てみたいです」
春名「グループが刑務所に慰問に行くシーンもいいんです。比較的若い受刑者が多いところで、いかつい兄ちゃん達がたくさんいて、最初は老人だからとバカにして見ていたのに、だんだんみんなの表情が変わっていきます。歌のあとに一人の男性が近寄ってきて、『俺の人生で一番のパフォーマンスだったよ!』と声をかけてくれるんです」
あでりー「ラストのあたりに出てくる、コールドプレイの『フィックス・ユー』も素晴らしかったです。男性二人で歌うはずが、本番数日前に一人が亡くなってしまい、一人で歌うんですが、それがもう切なくて切なくて」
春名「その男性も体調は悪くて、酸素吸入のチューブを鼻に入れた状態で、椅子に座って歌うんです。その人の声がすごくいいんですよ」
あでりー「酸素吸入を受けているから、そんなに声も出なくてささやくように歌うんですが、それがまたいいんです。歌詞の内容が、『そばにいるよ』という内容なので、亡くなったもう一人の男性もそばにいる、という意味にも聞こえます」
春名「元々は男女の恋愛を歌った曲なんですが、その人が歌うと人生を歌った曲に聞こえます。めちゃくちゃ元気になる映画ですよ」
あでりー「ふだん、小さいことを気にして生きている自分に、こんなんじゃだめだと気づかせてくれる映画です」
春名「そうそう、人間の可能性はいくらでもあるんです」
Yさん「可能性は無限大ですよね。このつながりだと、『カルテット!人生のオペラハウス』という老人ホームを舞台にした映画も良かったです。そこでも登場人物たちが、人生の重みのある演奏と歌声を披露してくれるんです。私は日本でも細川たかしとか小林幸子とか、演歌が好きなんです。若い人にはない、人生の重みや悲哀を感じさせてくれます」
春名「この映画のあと、日本に彼らが来日したことがあって、二人で見に行ったんです。最後の曲で、『日本の曲を披露します』とアナウンスされたので、『さくらさくら』とか『花』あたりのやさしい曲かと思っていたら、なんとブルーハーツの『リンダ・リンダ』で、しかも日本語で歌ってくれたので、びっくりしました。その次にはRCサクセションの『雨上がりの夜空に』を歌ってくれて、会場は超大盛りあがりでした」
Yさん「若い頃は、若さこそすべてみたいに思いがちですが、年をとると、年をとったからこそわかる人生の素晴らしさがありますね。だから民謡とか演歌の凄みを感じられて、人間の良さや哀しみもわかるようになりました。年をとるのもいいことだと思います」
◆
つぐない(2007年.ジョー・ライト監督)
Yさん「思春期の多感さによる勘違いから、現実を錯覚した言動が生まれ、運命を狂わせていくという内容の、イギリス映画です。ジェームズ・マカボイとキーラ・ナイトレイが出演しています。この二人の性的なやりとりを、女性の妹である少女が目撃し、動転してしまい、妄想との区別がつかなくなります。想像力が豊かで文章を書くのが好きな少女だったからこそ、間違った行動に出てしまうんですね」
春名「今日は本当にありがとうございました。教えてもらった映画を順番に見てみたいと思います」
春名「今日は本当にありがとうございました。教えてもらった映画を順番に見てみたいと思います」
