~ 本場のティータイムを、岡崎で ~
イベント開催報告
◆2025.12.7 Keswick美術会
 〈2026年、行ってみたい美術展特集!〉
久しぶりの美術会が開催できました。「2026年、行ってみたい美術展特集」というテーマでしたが、初参加の方と常連参加のご夫妻のご参加を頂きました。パソコンのモニターで、それぞれの美術展の情報や展示される絵の画像を見ながら、5人で賑やかに美術の話で盛り上がりました。また、前回テーマトークで盛り上がったAIによる絵画作成も試み、美術好きならではの意見が交わされて面白かったです。
【詳細な内容】
イベント初参加のNさん「以前の友達の影響で、名古屋の美術館に行くようになりました。絵は好きで何でも見るんですが、どちらかというと日本画より西洋画のほうが好きです。今度アンドリュー・ワイエス展がありますが、むかし見たことがある、と思いました」
春名「僕も、1990年代に名古屋に来たワイエス展に行きました。当時は絵にそれほど興味がなかったんですが、これは記憶に残っています。寂れた感じの雰囲気がいいですね。その後、2009年に愛知美術館に来たときには、妻と見に行きました」
Nさん「最近だと、名古屋市美術館の『藤田嗣治 絵画と写真』展に行きました。けっこう人が入っていました」
春名「藤田嗣治は箱根のポーラ美術館にたくさんありますね。箱根には他にも岡田美術館もあるので、一緒に巡るのがお勧めです」
イベント常連参加のTさん「私も、最近は行けてないんですが美術館は好きで、倉敷の大原美術館や、長野にもいい美術館がありますし、いろいろと見に行きました」
あでりー「私は、美術はもともと好きではあったんですが、積極的に見に行くほどではありませんでした。名古屋に住んでいた2007年頃に、ボストン美術館でレンブラントの版画展に行って、そこから美術展に通うようになりました。フェルメールなんかも好きなんですが、今はもっぱら日本の画家が好きで、速水御舟や田渕俊夫、渡辺省亭あたりが好きです。最近では木島櫻谷が大好きで、私は日本のルノワールだと思っています」
春名「僕らは美術展に行く時はたいてい、朝一番に入って、まず一番奥まで急いで歩くんです。メインの絵は一番奥に飾ってあるから、人が来る前にその絵をじっくり見て、あらためて最初から順番に見ていくんです」
Tさん「美術展に行っても、本当に心に残る絵って少ないですね」
あでりー「そうですねー。私はちょっとずれているのか、メインで展示されている以外の絵に心惹かれることも多いです」

春名「さて、今日のテーマは来年の美術展ですが、まずは何と言っても『大ゴッホ展』ですね。ゴッホは毎年、どこかで美術展をやっていますが、特に今年から来年にかけてはすごいです。僕らも1月に神戸に見に行く予定です。有名な『夜のカフェテラス』が来るので、楽しみです。その後、福島と東京に巡回します」
Tさん「以前、この絵の複製を名古屋で買ってきて、家に飾ってあります」


春名「こちらが、愛知県美術館に来るほうのゴッホ展です」
Tさん「地味ですね(笑)」
春名「ゴッホは、僕も若い頃はそれほどでもなかったんですが、だんだん好きになってきました」
Tさん「ゴッホは最初から狂っていたんでしょうか?」
春名「いろいろと変遷はありますが、そもそも普通の人ではなかったでしょうね。付き合うには難しい人だったと思います。絵も、のたうつような線描で、教会の絵なんてゆがみまくっていますが、すごく惹かれるんです」
Tさん「ピカソだって、青の時代よりもキュビズム以降のほうが面白いですね」
Nさん「ピカソは、ちょっと変てこですよね」
春名「僕もピカソとかマチスとかはよくわからないんです。逆に、完全に写実的なものだと写真には勝てません。ゴッホはその寸前くらいなので僕にはちょうどいいんです。来年はまず、この2つが楽しみです」

春名「次は、東京の国立新美術館で開かれる『ルーブル美術館展 ルネサンス』ですね。レオナルド・ダ・ヴィンチの『女性の肖像』という絵が初来日します。かつては『ミラノの貴婦人の肖像』と呼ばれ、一時はアブダビに新設されたルーブル美術館の別館で展示されていました」

春名「他にも、今日調べていたらいろいろ良さそうな展覧会を見つけました。11月に『オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び』展があって、ミレーの『落ち穂拾い』やゴッホの『ローヌ川の星月夜』が来るんですね」
Nさん「『落ち穂拾い』は、現地のオルセー美術館で見ました。学生の頃にパリに行った時に、ルーブル美術館は行けなかったので、替わりに行きました。時間がなくて駆け足で見ました」
Tさん「私も同じくオルセー美術館に行ったんですが、ちょうど早仕舞いの日だったので、追い出されるように急いで見ることになりました。もう少しじっくり見たかったです」
春名「現地で見る絵はやっぱり違いますよね」

春名「次は横浜ですが、『マリー・アントワネット・スタイル』という美術展があります。たぶん、絵画の他に美術品なんかも展示されるんじゃないでしょうか」
あでりー「横浜だから少し旅費がかかりますね。それに、美術展のチケット自体も最近は高くなりましたので、大変です」

春名「さきほどお話ししていた『アンドリュー・ワイエス展』が、東京のあと7月に豊田市美術館に来ますね。暑い時期ですが見に行く予定です。ワイエスは、クリスティーナという足の悪い少女の絵が有名ですね」
Tさん「小屋の絵とかもいいですね」

春名「豊田市美術館は他にも、『没後50年 髙島野十郎展』という展覧会があって、すごく良さそうなんです。写実的で見やすい絵が多いです」
Tさん「初めて聞く名前ですね」
あでりー「我々もテレビで見て知ったんですが、最近の私のイチ推しです。ロウソクの絵をたくさん描いていて、フランスのラ・トゥールを彷彿とさせますし、それぞれの違いを見るのも楽しみです。先程のワイエス展とあわせて、年間パスポートを買って見に行こうと思っています」
Nさん「豊田市美術館は、友達が学芸員さんをやっていたんです。建物もすごく好きなので、中に入らなくても外でお弁当を食べたりします。今年のモネ展も行きたかったんですが、行けずじまいでした」
春名「去年のエッシャー展も、すごく良かったです。その時も年間パスポートを買って何度も行きました」
Tさん「たまに現代美術の難しいのもやってますね」
あでりー「常設の髙橋節郎館もみごたえがあります」

あでりー「次が『スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき』で、9月くらいに愛知県美術館に来ます。スウェーデン絵画ってあまり見たことがないですが、興味はあります」
春名「北欧は、デンマークのハマスホイという画家も好きで、去年くらいに展覧会がありました」

春名「『ウジェーヌ・ブーダン展』もありますね。ブーダンは印象派の初期の頃の画家で、モネの先生に当たる人です。空を大きく描く人で、画面の3分の2ほどが空の時もあります」
あでりー「いろんな印象派の展覧会に行くとたいてい1~2枚は飾られていますので、見たことはあると思います。いい絵を描きますよ」
春名「印象派が好きなら気に入る画風です」
Tさん「空の雲もよく描けてますね」

春名「府中市美術館で、『長沢芦雪展』もありますね」
あでりー「長沢芦雪は丸山応挙の弟子で、近年評価が高まっています。応挙がすごく信頼を置いていて、人気絵師だった応挙にたくさんの依頼が来て応じきれない時に、和歌山からの依頼に芦雪を行かせたら、今はそれが国宝になっています」

春名「3つ目のゴッホ展は『ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち』で、ドイツのケルンにあるヴァルラフ=リヒャルツ美術館からの展示です。僕と妻は2015年にケルンに行った時、この美術館に行きたかったんですが、ちょうど休館日だったんです。ゴッホ以外にも、マネやセザンヌのいい絵もたくさんあるみたいです」

あでりー「もう始まってる展覧会ですが、名古屋のヤマザキマザック美術館の『オディロン・ルドン 夢の交叉』が面白そうです。ヤマザキマザック美術館はフランスのロココ時代やロマン主義の絵の収集に関しては日本有数だと思います。印象派のいい絵もありますし、数は少ないですが見応えがあります。館内には100年以上前の巨大なアンティーク・オルゴールがあって、毎日午後2時に演奏が聞けるんです。すごくきれいな音なのでお勧めです」

あでりー「七宝焼とか陶器が好きなら、名古屋の横山美術館もいいですよ。常設展示も充実しているので、陶器の歴史を知りたければここに行けばいいですね。ヤマザキマザックからも近いですし。来年ではなく、今やっている展示が『超絶技巧の七宝展』です」
【おまけのAI】
春名「前回のテーマトークでAIに絵を描かせてみたんですが、面白かったので、今日もすこしだけやってみましょうか。Nさん、何かお題はありますか?」
Nさん「おいしい食べ物の絵をお願いします。すごくおいしい食べ物の絵を(笑)」
春名「いいですね! どんな画風にしましょうか」
Tさん「ゴッホ風で」
春名「わかりました」
《以下、chatGPTとのやりとりの要約》
すごく美味しい食べ物の絵を描いてください。ゴッホ風の絵をお願いします。
画像が作成されました:
あでりー「ラザニア? 何?」
Nさん「親子丼にも見えますね」
Tさん「いちおうゴッホ風、かな? でも、美味しそう、まではいかないかな」
Nさん「自分が描けなくてもできてしまいますね。私はデジタルは苦手なんですが、友達はAIを使っています。AIだと、本物か偽物かわからないこともありますね」
Tさん「じゃあ次に、ゴッホがピザを食べている絵、はどうでしょう」
《以下、chatGPTとのやりとりの要約》
ゴッホがピザを食べている絵を描いてください。
画像が作成されました:
全員(爆笑)
あでりー「食べてますね~」
Tさん「食べてますね~。なんか、まずそうですね~(笑)」
Nさん「嫌々、食べてるみたいですね(笑)。おもしろ~い!」
春名「ゴッホ風の絵、でもありますね。笑えるものとしてはいいかもしれませんね。絵そのものの価値は別として」

春名「じゃあ次は、ガラス絵風の絵にしてみましょうか。題材はクリスマスツリーで 」
《以下、chatGPTとのやりとりの要約》
クリスマスツリーの絵を描いてください。ガラス絵風の絵でお願いします。
画像が作成されました:
春名「ガラス絵は難しかったのか、少し時間がかかりましたね」
Tさん「これは……ガラス絵ではないですね」
春名「ちょっとまだゴッホが残ってます(笑)」
Nさん「後ろの背景がとくにそうですね」
Tさん「これはステンドグラスですね。ガラス絵という概念がわからなかったんですね」

春名「前回は、うちのお店に飾る絵を描いてもらいました。今度は、アンドリュー・ワイエス風に描かせてみましょうか」
《以下、chatGPTとのやりとりの要約》
cafe Keswickの店内に飾るための絵を、アンドリュー・ワイエス風に描いてください。
画像が作成されました:
春名「これは……アンドリュー・ワイエスではないですね」
Tさん「ぜんぜん違う!」
あでりー「ぜんぜんそれっぽくないー」
春名「ワイエスをあまりよく知らないのかな。しかも、いつもそうですけど、カフェの絵を描くんですよね」